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永瀬 文久
Annals of Nuclear Energy, 171, p.109052_1 - 109052_8, 2022/06
被引用回数:2 パーセンタイル:50.96(Nuclear Science & Technology)冷却材喪失事故において、酸化されたZr合金被覆管がスペーサーグリッドにより急冷時に強く拘束されると燃料の破損限界が低下する。したがって、軸方向拘束の現実的なレベルを推定することが、燃料の安全性に関するひとつの課題である。本研究では、PWR型模擬燃料セグメントと33グリッド片からなる試験体を、水蒸気中で加熱,冷却、および急冷し、燃料セグメントにかかる軸方向拘束力を測定した。ジルカロイ製グリッドの拘束力は温度とともに徐々に低下した。1060K以上に加熱されると、拘束力の低下は回復しにくく、冷却および急冷時の最大拘束力は以下10Nであった。インコネル製グリッドについては、拘束力が以上1070Kで明らかに減少したが、冷却により部分的に回復した。インコネル製グリッドによる最大拘束力は20から50Nであった。従来研究で予測されたような非常に強い拘束は、グリッド位置での酸化,膨れ,破裂、または共晶形成によって起こる可能性は一般的には低い。
安部 諭; 岡垣 百合亜; 佐藤 聡; 柴本 泰照
Annals of Nuclear Energy, 159, p.108321_1 - 108321_12, 2021/09
被引用回数:3 パーセンタイル:44.61(Nuclear Science & Technology)Heat transfer in the rod bundle is augmented by the mixing vanes on the spacer grid. We conducted a computational fluid dynamics (CFD) simulation with three isotropic turbulence models - standard -epsilon, realizable -epsilon, and SST -omega models - to investigate the relationship between heat transfer and turbulence behaviors downstream a simulant spacer (with four vanes) in a single tube under single-phase flow conditions. Quantitatively, the predicted heat transfer coefficient (HTC), secondary flow intensity, and turbulence intensity with the SST -omega model displayed a better agreement (than the other isotropic models) with the correlation based on previous studies. Furthermore, the turbulence production was localized in the near-spacer region (z/D 10, where D is the inner diameter), which corresponds with the HTC argumentation region. These results indicate that examining the turbulence production when discussing the HTC augmentation downstream the spacer is essential.
佐藤 聡; 和田 裕貴; 柴本 泰照; 与能本 泰介
Nuclear Engineering and Design, 354, p.110164_1 - 110164_10, 2019/12
被引用回数:8 パーセンタイル:65.94(Nuclear Science & Technology)原子力機構ではBWRの沸騰後遷移熱伝達、過渡限界熱流束及びリウェットに関する一連の実験研究を行ってきた。これまでに、異常過渡条件をカバーする実験データベースが開発されており、またリウェット現象における先行冷却の重要性が認識されるようになった。本論文では、原子炉停止機能喪失事象、炉心熱伝達へのスペーサの効果、機構論的モデル開発のための現象の物理的理解に焦点を当て、これまでに得られた主な結果と共に、本研究のアプローチを提示した。
佐藤 聡; 和田 裕貴; Le, T. D.; 柴本 泰照; 与能本 泰介
Proceedings of ANS International Conference on Best Estimate Plus Uncertainties Methods (BEPU 2018) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2018/00
本研究では、Post-BT熱伝達、液滴伝達率およびリウェット挙動を取得するため、BWRのAOOを模擬した条件において実験を行った。熱伝導方程式を解析的に解くことでリウェット挙動を調査し、リウェット速度、壁面温度および先行冷却と濡れ領域における熱伝達率の間の関係を把握した。さらに、Post-BT熱伝達とリウェット挙動へのスペーサ効果を調べるため、ATWS模擬条件において丸セル模擬スペーサを設置した実験を行った。これにより熱伝達率がモデルによる予測よりも増加すること、また低圧、高質量流束条件においてリウェット速度が増加することが示された。一連の実験を通して先行冷却が重要な役割を果たしていると考えられることから、先行冷却に着目した新しい実験を行い、リウェットフロント周辺の液膜と液滴の挙動が先行冷却メカニズムに与える影響を調べた。
作花 拓*; Jiao, L.; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之; 高瀬 和之
日本機械学会2015年度年次大会講演論文集(DVD-ROM), 5 Pages, 2015/09
二相流解析コードTPFITの気泡流解析に対する妥当性の確認を目的として、燃料集合体内サブチャンネルの形状を簡略模擬した円管流路実験装置を使って、流路内を流れる気泡流のボイド率分布をワイヤメッシュセンサで計測し、解析結果との比較を通してTPFITの予測性能を明らかにした。今回は、隣り合う燃料棒とのクリアランスを一定に保つために燃料集合体内に設置されるスペーサの形状を簡略模擬した障害物を流路内に設置し、スペーサ等の障害物が気泡流の挙動に及ぼす影響を実験的及び数値解析的に評価した。この結果、障害物の存在によって流れが加速されるために障害物周囲でボイド率が急激に上昇することや障害物直後に形成される循環流域に小気泡が巻き込まれて停滞することなど、特徴的な挙動を数値的に解析できることを確認した。
高瀬 和之
Proceedings of OECD/NEA & IAEA Workshop on Application of CFD/CMFD Codes to Nuclear Reactor Safety and Design and their Experimental Validation (CFD4NRS-5) (Internet), 11 Pages, 2014/09
超臨界圧水冷却炉の熱設計において、炉心熱効率を向上させるためには炉心出口における冷却材温度を高くすることが必要であるが、このためには燃料温度を高くする必要があり、その結果として燃料被覆管表面温度も上昇するため、被覆管材料の高温劣化が大きな課題であった。そのため、燃料被覆管表面温度の上昇を抑制する一方、冷却材温度の上昇を促進させることが熱設計において期待されていた。そこで、著者は燃料集合体内に存在するスペーサに着目し、スペーサによる伝熱促進効果によって燃料集合体内の熱伝達率を促進させて燃料被覆管表面温度の上昇を抑制することを発案し、そのアイデアの妥当性を数値的に調べた。冷却材である超臨界水の伝熱流動特性を正確に予測するために開発したプログラムを使って、流路入口流速、燃料棒熱流束及びスペーサに設置した微小突起の取り付け角度を種々に変えた条件で計算を行い、スペーサに設けた微小突起によって乱れを促進できること、それに伴って乱流熱伝達率を向上できること、さらには熱伝達率の増大によって燃料被覆管表面温度上昇を抑制できることが明らかになった。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 叶野 琢磨; 秋本 肇
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 6 Pages, 2004/12
原子炉における冷却材の複雑な伝熱現象や相変化を含む混相流挙動に関する物理的メカニズムの詳細を数値的に解明し、また、原子炉燃料集合体をフルサイズで模擬した体系下で熱流動挙動の詳細を計算機上に再現することを目的として、地球シミュレータ等を利用した大規模シミュレーション技術の開発を行っている。本報は、技術開発の一環として行った将来型水冷却炉内二相流挙動の3次元予測結果について述べる。本提案の解析手法によって、狭隘流路を有する将来型水冷却炉の燃料集合体内の3次元水-蒸気分布の詳細を数値予測できる見通しを得た。また、気液界面の二相流構造,気泡の合体・分裂メカニズムに関して有益な知見を得た。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定; 秋本 肇
Transactions of the American Nuclear Society, 89, p.88 - 89, 2003/11
筆者らは低減速軽水炉の炉心内二相流特性を直接解析による大規模シミュレーションによって解明する研究を行っている。熱の影響がない非加熱等温流条件に対して、低減速軽水炉の炉心条件をもとに燃料集合体入口流速,ボイド率等をパラメータとして一連の解析を行い、次の結論を得た。(1)小さな気泡が合体して成長した大きな気泡は、一度壁に接触すると表面張力により壁表面に沿って下流へと移動する。(2)大きな気泡は大きくなりすぎると気液界面に生じるせん断力によって小気泡に分断される。(3)炉心三角ピッチ配列の中心領域は燃料棒間狭隘部に比べて流動抵抗が低いため、大きな気泡は次第に三角ピッチ配列の中心領域に凝集しながら下流へと移動する。(4)スペーサ領域で大きな気泡は多くの小気泡に分断され、その結果スペーサ後流の水平方向のボイド率分布は均一化される方向にある。(5)低減速軽水炉における気泡の運動は流れ方向への直線的な移動が支配的であり、ボイドドリフトの影響BWR炉心よりも小さい傾向にある。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定; 秋本 肇
Proceedings of International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications (SNA 2003) (CD-ROM), 15 Pages, 2003/00
低減速軽水炉の燃料集合体をフルサイズで模擬した体系下で二相流挙動の詳細を計算機上に再現することを目的として、地球シミュレータを利用した大規模数値シミュレーションを行っている。燃料集合体の解析には従来からサブチャンネル解析コードが利用されているが、実験結果に基づく構成式を必要とするため、本研究対象である1mm程度の狭隘流路における二相流挙動に関する実験データがない場合には高精度の予測は困難である。そこで、筆者らは実験データを必要としない直接解析手法を燃料集合体内二相流解析に適用することを考え、これは地球シミュレータの利用により可能になった。3次元詳細解析の結果、グリッドスペーサ部周辺における流速分布の不均一性を初めて明らかにでき、計算科学的手法による低減速軽水炉の炉心熱設計手法確立の可能性に関して高い見通しを得た。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 吉田 啓之; 玉井 秀定; 久米 悦雄; 北村 竜明*
第16回数値流体力学シンポジウム講演要旨集, 7 Pages, 2002/00
低減速スペクトル炉の炉心燃料集合体内には、1mm程度の燃料棒間ギャップを一定に保つためにスペーサが設置される。このような狭隘流路に存在するスペーサ周辺の熱流動特性に関しては、単相では多くの研究が行われているが、二相流ではほとんど見られない。そこで、狭隘流路内に置かれたスペーサ等の物体が二相流挙動に及ぼす影響を数値的に調べた。数値解析には著者の1人が開発した二相流コードTPFITを使用した。解析体系は3次元流路とスペーサ簡略模擬した矩形突起から成る。解析では、流路入口に液膜厚さとその流速及び蒸気流速を与え、時間方向に進展する液膜流挙動を非加熱等温流条件に対して定量的に調べた。計算に使用した入力値は低減速スペクトル炉の炉心出口近傍の条件を模擬した。解析の結果、突起後端から発生するはく離線に沿ってウエークが形成され、ここでは強い乱れによって液膜が排除され、ほぼ蒸気で満たされることがわかった。この結果から、加熱時には突起後方に十分な冷却を期待できない領域の存在が予測された。また、流れ方向に突起を一定間隔で設置する場合には、前方の突起で発生したウエークが後方の突起に順次影響するため、突起の配置を十分検討する必要がある。今後は、突起形状,加熱時の沸騰流,乱流構造等に及ぼす突起の影響を明らかにする考えである。
北村 智; 井上 雅好*; 鹿園 直哉; 田中 淳
Theoretical and Applied Genetics, 103(5), p.678 - 686, 2001/10
被引用回数:46 パーセンタイル:80.8(Agronomy)タバコ属には染色体数の異なる多くの種が存在するため、その系統関係は極めて複雑であると考えられている。本研究では、18,20,24及び48本の染色体をもつタバコ野生種の系統類縁関係を明らかにするために、5SリボソームRNA遺伝子(5S rDNA)のスペーサー領域の塩基配列を解析した。18,20及び24本の染色体をもつ種においては、一種類の5S rDNAユニットが検出された。一方、48本の染色体をもつ種においては、二種類の5S rDNAユニットが検出され、その塩基配列から、これらの種が雑種由来の複二倍体であることがわかった。それぞれの種から単離した5S rDNA配列を比較することにより、塩基置換の頻度に基づいて3つの領域に分けることができた。5S rDNAのスペーサー領域の塩基置換パターンに基づいて系統分類学的解析を行った。幾つかの異なる理論法を適用することにより系統樹を作製し、すべてにおいて類似した結果が得られた。本研究で示された系統関係は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)により明らかにした5S rDNAの染色体上の分布パターンと一致していただけでなく、植物の外部形態などに基づいた現行のタバコ属植物の分類と矛盾のないものであった。
後藤 雅宏*
PNC TJ1606 98-001, 79 Pages, 1998/03
本委託研究では、溶媒抽出法による核燃料廃棄物からの超ウラン元素のリサイクルプロセスに最適な新しい抽出剤を設計開発することを目的としている。本年度は、新規抽出剤としてジホスホン酸型抽出剤を6種合成し、その官能基およびスペーサーの観点からそれぞれ検討を行った。具体的には、抽出剤に求められる基本的な性質である、抽出能力、分離性能および有機溶媒に対する溶解性について、希土類金属の抽出を例に取り評価を行った。スペーサーサイドについて、スペーサー構造の異なる6種の抽出剤がそれぞれ合成され、希土類金属の抽出挙動について評価した。また、温度依存性の実験から算出した各熱力学パラメーターを用いて、抽出剤のもつ抽出能力および分離性能について熱力学的に評価を行った。まず抽出能力については、モノホスホン酸とジホスホン酸の比較において、ジホスホン酸の抽出能力の向上がキレート効果によるエントロピー項の有利性に起因することが明らかとなり、二つの官能基を連結するといった分子設計上の手法が抽出能力の向上に対して非常に有効であることが示された。分離性能については、おもにエントロピー項によって制御されており、分離係数の大きな金属間における相対的なエントロピー項のエネルギー差は例外なく大きい値を示していた。さらに、計算機化学的手法を用いて、スペーサー構造の及ぼす影響について理論的解析を行った。結果は、それぞれの分離性能について計算結果と実験事実とが比較的良い相関関係を示していており、計算機化学的手法が、超ウラン元素のリサイクル技術を確立するための新しい抽出剤の分子設計に有効であることが示された。次に、抽出剤を高分子のマトリックス表面に固定化する、新しい鋳型樹脂調整法を確立した。高い選択性を有する樹脂の調製が、"分子刷り込み法(molecular Imprinting法)"という手法によって可能となった。この手法を用いることによって、樹脂の表面には抽出剤と対象金属の最適配位空間が記憶され、希土類金属(Dy)の選択性が飛躍的に向上した。本手法は核燃料廃棄物からの超ウラン元素のリサイクルプロセスを確立する上で、非常に有効な手法となるであろう。
成田 均; 大島 宏之
PNC TN9410 97-104, 69 Pages, 1997/12
単相サブチャンネル解析コードASFRE-IIIの整備の一環として、燃料ピン伝熱モデルおよび圧力損失モデルの検証解析を実施した。燃料ピン伝熱モデルの検証では、構造解析コードFINASによる解析を行い、ASFREコードの解析結果との比較を実施した。これらの比較より、ASFRE燃料ピン伝熱モデルの結果は燃料ピン内部において、FINASによる解析結果と最大で1%未満の差であったことから、燃料ピン伝熱モデルにおける熱伝導計算の妥当性を確認した。圧力損失モデルの検証解析では、ASFREコードにおけるワイヤスペーサモデル(Distributed Resistance Model(D.R.M.))を用いて、169本および127本ピンバンドル燃料集合体を用いた流動試験結果との比較を実施した。軸方向差圧については、定格流領域において両試験ともに解析結果と実験結果はほぼ一致した傾向となった。また、周方向圧力分布については試験結果の傾向とASFREコードの解析結果の間にピーク値となる位置に違いが生じた。この原因を調べるため実施した、SPIRALコードによる解析結果や周方向圧力分布を測定した他の試験との比較ではASFREコードの傾向は非常に良く一致することを確認した。従って、D.R.M.による周方向圧力分布予測は妥当であり、周方向分布についての差の原因は燃料バンドルの偏り、ワイヤ巻き誤差および測定位置におけるワイヤの影響であると考えられる。
高瀬 和之
Nuclear Technology, 118(2), p.175 - 185, 1997/05
被引用回数:5 パーセンタイル:42.79(Nuclear Science & Technology)スペーサリブ付き環状燃料チャンネルの乱流熱伝達特性を、実験的及び数値解析的に調べた。実験は、最高温度1000C、圧力4MPaのヘリウムガス条件下で実施され、熱伝達率、摩擦係数、圧力損失、流路内外面温度等の各分布が定量評価された。一方、乱流計算には従来から実績のあるk-2方程式モデルを使用した。著者はすでに層流域並びにレイノルズ数が5000以上の乱流域に対して、熱伝達率と摩擦係数の各実験結果と15%以内の誤差で一致する解析を得ている。今回は特に、k-モデル定数の1つであるCu値並びに乱流プラントル数を見直すことにより、数値的に十分な精度で予測できるレイノルズ数範囲を3000にまで低下させることに成功した。本研究により、スペーサリブ付き環状流路の伝熱性能を数値解析的に十分評価できる見通しが得られた。
高瀬 和之; 秋野 詔夫
JAERI-Research 96-031, 24 Pages, 1996/06
ピン・イン・ブロック型高温ガス炉で使用される3次元スペーサリブ付き環状燃料チャンネルの伝熱流動特性を、レイノルズ数が3000以上の十分に発達した乱流条件下で3次元熱流動計算を行って数値的に解析した。乱流計算には、従来から実績のある-2方程式乱流モデルを使用した。筆者らはすでに、レイノルズ数が5000以上の乱流域に対して、熱伝達率と摩擦係数の各実験結果と15%以内の誤差で一致する解析結果を得ている。今回は、-乱流モデル定数と乱流プラントル数をJonesとLaunderによって提唱された標準値から改良した。その結果、数値的に十分な精度で熱伝達率と摩擦係数を予測できるレイノルズ数範囲を5000から3000に低下させることに成功した。本研究により、高温ガス炉の定格運転条件である3000以上のレイノルズ数領域における炉心熱設計を数値解析的に十分評価できる見通しが得られた。
高瀬 和之; 秋野 詔夫
Proc. of the 30th Intersociety Energy Conversion Engineering Conf., 0, P. 95_169, 1995/00
HTTRのようなピン・イン・ブロック型燃料体の場合、冷却材であるヘリウムガスは燃料棒外径と冷却孔内径とで構成される燃料チャンネルを下向きに流れながら加熱される。燃料チャンネルは等価直径が10mm以下の環状流路で、燃料棒と冷却孔とのクリアランスを一定に保つために燃料棒外表面にはスペーサリブと呼ばれる突起が設けられている。本研究はスペーサリブを有する環状燃料チャンネルに対して、3次元乱流解析を行って燃料チャンネルの熱流動特性を数値的に評価したものである。数値予測した燃料チャンネルの熱伝達率や摩擦係数はHENDELにおける従来の実験結果と15%以内の誤差で一致し、本解析で得た数値データは十分な精度で実現象を模擬しているものと考えられた。本研究で明らかにしたスペーサリブ周りの局所の熱伝達率や乱流エネルギー分布等を通して、粗面付き環状流路の伝熱促進機構の解明に大きな成果を得ることができた。
一宮 浩市*; 功刀 資彰; 秋野 詔夫; 新開 修二*
日本機械学会論文集,B, 58(554), p.3147 - 3152, 1992/10
高温ガス炉の燃料要素内の冷却材環状流路は非常に狭く、その空間を維持するためにスペーサが設置されている。著者らは、スペーサが周囲の伝熱流動にいかなる影響を及ぼすかを実験的に検討してきた。本報では、平行平板流路内に設置された正方形断面の角柱スペーサによる伝熱流動特性を層流状態で数値的に検討したものである。
藤村 薫; 椎名 保顕
日本原子力学会誌, 28(6), p.524 - 526, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.35(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス炉炉心内冷却材の、低流量時における流動特性を把握する目的で、乱流への遷移過程を実験的に調べた。その結果、環状流路においても、円管におけると類似の突発型遷移が発生すること、スペーサーリブを設けた環状流路においては、燃料チャンネルの実効長さの範囲内では断面を一様に覆う間欠的な乱流領域が発生しないことが明らかになった。
二川 正敏; 菊地 賢司
日本原子力学会誌, 28(4), p.337 - 343, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所で開発が進められている多目的高温ガス実験炉の1次冷却系配管には二重配管構造が使用される。この二重配管構造の減衰振動特性にスペーサの設置間隔及び内管内部断熱材が与える影響について調べるために、直管より構成される二重配管構造試験体によって、ハンマリングによる加振試験を行った。また、これらの結果は二重配管を平行はりにモデル化したCOSMOS-7の有限要素解析結果と比較した。その結果、次のような結論を得た。(1)二重配管構造の減衰比は、スペーサの設置間隔が小さくなるに従って、増大する。(2)レイリー比例減衰比を導入した平行はりモデルによる過渡応答波形の計算結果は、実験結果とほぼ一致した。
二川 正敏; 菊地 賢司
Nucl.Eng.Des., 94, p.115 - 123, 1986/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.87(Nuclear Science & Technology)原研で開発が進められている多目的高温ガス実験炉の1次冷却系配管には高温二重配管が使用されている。このような二重配管の振動特性にスペーサの設置間隔及び内部断熱材が与える影響を調べるために、直管より構成される二重配管試験体を製作し、ハンマリングによる加振試験を行った。また、試験結果を二重配管を平行はりにモデル化した有限要素解析結果と比較した。その結果、次のような結論を得た。(1)二重配管の振動特性は、スペーサの設置間隔によって、大きく変化する。(2)二重配管の固有振動数及び振動モードは平行はりモデルによる解析で表せる。